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鹿島、ACL広州戦アウェイで0-0。
三竿健斗「これでチームの一体感が」
posted2019/08/29 17:00
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Zhong Zhi/Getty Images
「前回はついていく立場だったんですけど、今回はひっぱる立場に変わった。前は自分の仕事にしか意識がいっていなかったので、アウェイの観客の雰囲気も大したことないなと思っていたんですけど、今回は全体を見ながらプレーできていたので、前回よりもアウェイの感じをとても強く感じました」
2年前、2017年5月にも三竿健斗はここ、広州天河体育中心体育場のピッチに立っている。ACLラウンド16での戦いだった。2017年の三竿は鹿島でやっとレギュラーポジションを獲得することになるが、シーズンが始まって間もない5月で、自分のプレーに集中し、なんとかチームについて行くことしかできなかったのかもしれない。真っ赤に染まった4万人近い大観衆のプレッシャーを感じる余裕もなかったのだろう。
しかし、2年が経った2019年8月28日の広州恒大戦。再びそこに立った三竿は、ピンチの芽を摘み、チャンスを窺いながらも、敵の侵入に目を光らせた。コンパクトに保つため後ろと前、左右のバランスにも注力している。ときにはいわゆるプロフェッショナルファールで敵の攻撃を寸断したが、イエローカードは出なかった。
気温33度のなか、給水タイムはなし。
「常に近くにレフリーがいるので、うまくコミュニケーションをとっていた」
三竿は幼少期をアメリカで過ごしている。ACLでは英語でコミュニケーションをはかった。
そのようにして、CBの犬飼智也とも話し合いながら、「ゼロで抑える」というミッションを果たした。
気温33度、高い湿度のなか、日本であれば当然設けられている給水タイムもなかった。スタジアムはまるでサウナのようだった。「この夏一番の暑さ」と現地の人が語っていた。そういう状況のなかで、0-0で試合を終えた。アウェイゴールは奪えなかった。シュートチャンスはあったけれど、バルセロナにも所属したパウリーニョは相変わらず、嫌な選手だった。