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鹿島、ACL広州戦アウェイで0-0。
三竿健斗「これでチームの一体感が」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byZhong Zhi/Getty Images
posted2019/08/29 17:00
アウェイの広州戦で2人で厳しくチェックに行く三竿(左)と土居。90分を0点に抑えた。
アントラーズの「新たな武器」。
移籍加入した選手がいち早くチームに溶け込み選手層に厚みをもたらす──。これは鹿島アントラーズの新たな武器だと感じる。
かつては他クラブから選手を獲得したものの、戦力として定着できず、鹿島を去ったという例も少なからず存在した。当時と今との大きな違いは、けが人などの事情もあり、獲得した戦力をすぐに使わざるを得ない状況ということがある。前の所属チームで出場時間が短く、試合勘や連携への不安があっても、新戦力でまずは目の前の問題を解決しなければならない。そしてもうひとつ、「試合で起用することが、(チームの)融合や成長を促す」と大岩剛監督が思っているから、というのもあるだろう。逆に以前から所属していた選手はチャンスを失うことになるが、それを発奮材料にしてほしいとも監督は考えているはずだ。
また、これだけ移籍加入選手が増えると、迎える側も加入組との絶妙な距離感を生み出すことができるのだと思う。「加入組」だった以前の自分に立ち返れば、後から来た新戦力の気持ちもわかる。
コミュニケーションをとる意識を徹底。
「しゃべって、しゃべって」
鹿島での練習中、羽田憲司コーチが途切れることなく、何度もそう繰り返していたことがある。周りのチームメイトと言葉を交わしてコミュニケーションをとり、プレーする。その意識を徹底していた。
広州の攻撃陣相手に奮闘した小泉の言葉と、そんな練習の風景が重なった。
「日頃のトレーニングでちゃんとコミュニケーションを取らないと、やっぱりこういう大一番でそれが試される。日々の練習というのをなめないで、ちゃんと声をかけあってやらなくちゃいけない。自分も後ろから見ている立場なので、もっと声を出さないといけないし、そこは移籍加入だからということで遠慮もいらないし、出すべきところは声を出していきたい」