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渋野日向子の笑顔は何でできている?
「別にシンデレラでもないしなと」
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byGetty Images
posted2019/08/22 11:50
NEC軽井沢72ゴルフトーナメント最終日18番のバーディーパットを外して苦笑いする渋野。この後パーパットも外して優勝争いから脱落した。
カメラを受け取ろうとする渋野。
何より、決して好調とは言えないショットの状態で最後まで優勝争いを引っ張ったことが普通ではない。これだけの注目と期待に晒されながら、どうして20歳のルーキーにそれができるのか。大会中の渋野の言葉から、その対処法の一端が垣間見えた。
開幕前、渋野はリフレッシュのために観光名所の白糸の滝を訪れたという。マイナスイオンを浴びてのんびり歩いていたら、うしろから走り寄ってくる足音が聞こえた。
「写真撮ってもらえますか?」「ああ、撮りますよ」
カメラを受け取ろうとした渋野は、相手の反応を見てようやく自分が撮る側でなく、撮られる側であることに気づいた。
「全英から帰ってきてあまり出歩くことがなかったので、そんなにバレると思っていなかった。ちょっとびっくりしましたけど、あれだけ出てればバレるわなと思いました」
インスタは20万フォロワー突破。
今大会では渋野のネーム入りタオルが急遽販売され、初日は100枚があっという間に完売となった。
「100枚も売れたんですか。ああ、なんかありがたいですねぇ」
インスタグラムのフォロワーが20万人を突破し、女子プロNo.1になったと聞くと、
「本当にみなさんミーハーで。今回優勝したらもっとニュースになっちゃいますよね、そう考えたら……、うーん、なんとも言えないですけど」
会場に設置されていた顔認証システムを利用した笑顔採点ゲームで100点満点を逃すと、
「みんなスマイルシンデレラとか言っているけど、別にシンデレラでもないしなと」
嫌味な響きは全くないのだが、まるで他人事のような口ぶりで話すのである。