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<熱狂誕生の秘密>
吉田輝星「僕はこうして旋風になった」

posted2019/08/08 08:00

 
<熱狂誕生の秘密>吉田輝星「僕はこうして旋風になった」<Number Web> photograph by Satomi Tomita

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

PROFILE

photograph by

Satomi Tomita

並み居る強豪校を次々と撃破し、甲子園100回大会の主役に躍り出たのは秋田の農業高校を牽引したエースだった。1年前、自ら起こした熱狂を振り返る。(Number984号掲載)

 吉田輝星がファイターズのユニフォームを着て、鎌ケ谷で取材に応じてくれたその日から遡ること、ちょうど1年。2018年7月24日、秋田の金足農は明桜を2-0で破り、11年ぶり6度目の夏の甲子園出場を決めた。最速150kmを投げるエースの吉田は、その歓喜の輪のど真ん中にいた。

「去年の今日、優勝したんでしたっけ……あれから1年か。早いですね」

 吉田は秋田大会の5試合を一人で投げ抜いた。その球数は636、奪った三振は57。決勝で投げた最後の一球は左バッターのアウトハイへ、唸りをあげて伸びていくストレートだった。空振りの三振を奪って甲子園を決めた瞬間の吉田は、振り向きざまに両の拳を突き上げ、雄叫びを上げた。甲子園に旋風が巻き起こる前、まだ“金農旋風”が上昇気流に過ぎず、熱が秋田にあったことを誰も知らないときの光景である。

「帰りのバスはお祭り騒ぎです。窓を開けて、周りに響き渡るような爆音でヒップホップ系の音楽をかけて、みんなで騒いでいたんですけど、学校に戻ってから前庭でマジメな報告会があって……そこで初めて『これから秋田駅前のホテルで祝勝会をやる』と言われて、みんなで、えーっ、勘弁してくれ、もう家に帰りたいよって。あのときの倦怠感みたいな空気をすごく覚えています。さすがに疲れていたんでしょうね」

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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