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内田篤人が鹿島で新たに抱える悩み。
「やってないと発言権ってないよな」
posted2019/07/31 11:40
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Getty Images
クラブ史上における、一大転換期を迎えている鹿島アントラーズ。経営権がどこに移っても、主力が大量に移籍してしまっても、内田篤人をクラブに関わる皆が待ちわびているということに変わりはない。
新旧の経営陣だって、海を渡った若手たちだって、内田の全力の、全開のプレーを早く見たいという思いは、だれもが持っているはずだ。
あらためて振り返ると 、内田は昨季いっぱいで引退した小笠原満男のあとを引き継ぎ、今季から主将に就任した。サッカースタイルにおいてもそうだが、過去からの一貫性、連続性を重んじるというのが鹿島のカラーであるように見える。
主将になるといっても、本人がなりたいからなるというのではなく、周囲からそのカラーの守り手として認められて引き継ぐというものだ。だから、精神的な重さが他チームのそれよりも重いのではないかと思う。
ただ、役割を担ったは良いが内田はここまで、Jリーグでは出場4試合、ACLではベンチに2度入っただけだ。
3月30日に行われた磐田戦での接触により、再び右ひざを負傷した。当初はもう少し早い時期での復帰が予想されていたが、その期待をよそに時間はかかり、7月に入ってようやく全体練習に合流。7月29日に紅白戦で初めてプレーできたばかりという段階だ。夏明けごろの公式戦復帰を目指すのだという。
怪我をするたびに思うんだけど。
紅白戦に入った感想は、
「うーん、ま、こんなもんかな」
というところだったという。そんな風にあっさりしているのはいつもの内田だ。
ただ、やはり負傷離脱には忸怩たる思いが常につきまとう。
「怪我をするたびに思うんだけど、チームを離れたくないなって。(監督・大岩)剛さんも(強化部長・鈴木)満さんも、“何をしてるんだ”って思っているだろうし、なによりいつも一緒にやってないと、周りに思ったことを強く言えないんだよね。監督とかスタッフはそれでも周りに言ってくれ、っていうんだけどねえ……」