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川崎vs.大分「食いつかせ名人」対決。
勝者が飲水タイムに選んだ次の一手。 

text by

北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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photograph byJ.LEAGUE

posted2019/07/31 07:00

川崎vs.大分「食いつかせ名人」対決。勝者が飲水タイムに選んだ次の一手。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

“王者食い”を狙った大分の息の根を止めたのは百戦錬磨の「14番」だった。

押しの一手だけじゃない王者の強さ。

 試合後、片野坂監督は「粘り強く戦っていたが、一瞬、自分たちの緩みが出たところを仕留められた」と話している。散々、プレスを外され、もう追わねぇよ――というポーズを見せながら、虎視眈々と食いつくチャンスを狙い続けるあたりが、大ベテランのしたたかさ。これで勝敗の行方がほぼ決まった。

 大分の攻めは後方で相手を十分に引きつけるからこそ、仕掛けるときのスペースが大きい。そこで相手が食いつかず、裏のスペースを消されて、じっくり守られたら苦しいわけだ。事実、川崎Fの堅陣を攻めあぐねたあげく、85分に阿部浩之の一撃を浴びて1-3。最後は川崎Fの土俵に乗せられていた。

 型から離れ、機に臨み、変に応ずる。

 もはや押しの一手だけが、J1王者の強みではなさそうだ。名人に定跡なし――と言うが、目指すところもそこだろう。手札を自在に使い分けて、勝ちに持っていく。大分戦はその予告編かもしれない。

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