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凱旋門賞断念のアーモンドアイ。
「万全の状態」で秋の天皇賞へ。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/07/19 11:00
この10年で安田記念から秋の天皇賞に直行し、勝利した馬はいない。このコンビが再び常識を覆すか。
凱旋門賞を断念、“ぶっつけ”の天皇賞。
では、この先の展望について語っていただこう。
先述した通り、噂された凱旋門賞への挑戦を正式に断念し、秋初戦は天皇賞となった。まず、前哨戦を叩かずにぶっつけで天皇賞へ向かう理由を伺うと、伯楽は次のように話した。
「前哨戦を使おうとすれば、夏のまだ暑い時期に(厩舎に)戻さなければいけませんからね。天皇賞から使う事で帰厩はおそらくその1カ月前くらい。9月下旬くらいにするつもりで考えています」
また、昨年のオークス以来、秋華賞やジャパンC、そしてドバイターフを制した際にもレース直後に少々フラつくようなシーンがあり、それらを考慮すると、あまり数を使いたくないという思惑もあるのだろうか。
「一所懸命に走り過ぎるのか、確かにレース直後に熱中症のような症状を見せるのは事実です。でも、秋華賞の時が一番ひどかったけど、その後は心配する程ではありませんでした。この馬の癖として、すぐに馬体に水をかけるなど、厩舎サイドで対応のしかたも分かっているので、そのあたりは正直心配していません」
横綱の連敗は許されない。
とはいえ、ぶっつけで天皇賞というのがその後の事を考慮しての臨戦過程であるのには間違いないと思える。
「そうですね、中3週でジャパンC連覇を目指すのか、はたまた少し空けて暮れの香港になるのかは分かりませんけど、まぁ、その後も使う事にはなるでしょうね」
有馬記念という選択肢もあるのかを聞くと、それにはかぶりを振ってから口を開いた。
「確定ではないけど、おそらくそこはないでしょうね」