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凱旋門賞断念のアーモンドアイ。
「万全の状態」で秋の天皇賞へ。
posted2019/07/19 11:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
アーモンドアイの次走が秋の天皇賞(GI、10月27日、東京競馬場、芝2000メートル)と発表された。
これを受けて、前走からの現状を踏まえた天皇賞へ至る道程と、さらにはその後の展望まで、指揮官である国枝栄調教師に伺ってきた。
まずは前走の安田記念。個人的にはジャパンCやオークスで見せたパフォーマンスを考えると、アーモンドアイは2400メートルでこそ、の馬だと思った。それが的を射ていれば、当然、距離が短くなればなるほど取りこぼす可能性は高くなる。
実際、それまででアーモンドアイが唯一他馬に先着を許したのは1400メートルの新馬戦。最後はよく追い上げたものの2着に敗れた。
そういう意味で、マイル戦というのも敗因の1つだったのではないか。そう問うと、国枝調教師は肯定も否定もせずにこう答えた。
「まぁ、オーナー(シルクレーシング)サイドとノーザンファームと皆で相談した結果なので、そこは仕方ありません。確かにGIとなればその距離のスペシャリストが集まるのだから、そう言われても仕方ないけど、ただ、結果として競馬ぶりからは負けて強しと改めて思わせるモノだったと思います」
“負けてもなお強し”の末脚。
ゲート内で少々落ち着きを欠いた。更にスタートで大きな不利を受けて後方からの競馬を余儀なくされた。加えて高速決着の馬場で追い込み切れなかった。それでもゴール直前は、最も目立つ末脚で3着まで追い上げてみせた。国枝調教師が言うように確かに負けてなお強し、と言える競馬ではあった。
「2400メートル戦なら多少ゲートでガチャついても、スタートで不利を受けても、前で競馬を出来たのでは? と言われればそうかも知れません。ただ、秋の凱旋門賞挑戦を辞めた時点で、どこを使う? となったら最も適当なレースはやはり安田記念だったと思うのです」