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凱旋門賞断念のアーモンドアイ。
「万全の状態」で秋の天皇賞へ。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/07/19 11:00
この10年で安田記念から秋の天皇賞に直行し、勝利した馬はいない。このコンビが再び常識を覆すか。
高速馬場の影響はまったくない。
宝塚記念はハナから選択肢には入っていなかったと続ける。
「宝塚記念の時期は天候が安定しないため、阪神競馬場の馬場が物凄く悪くなる事があります。物凄く、とまではいかなくてもあまり良い馬場は見込めません。それを考えると、わざわざ遠征でそこを使うという気はありませんでした」
また、東京競馬場の場合、1600メートル戦でもワンターンしかしない。つまり、他の競馬場よりもスタミナを要求されるわけで、確かにその観点からは安田記念が頭から誤った選択だとは言えないのかも知れない。
しかし、残念な結果に終わってしまったのは事実。阪神へ行かず東京で走った事で馬場は悪くなかったが、逆に1600メートルを1分30秒9で決着した高速馬場の反動はなかったのだろうか。
「幸い、そこは大丈夫でした。この東京開催は確かに速い時計での決着が多かったけど、馬場が固いというよりは、クッションが利いて弾むような馬場だったために時計が速くなった感じです。少なくとも私の厩舎の馬で、その後、反動が出たとか故障したという馬は皆無でした。もちろん、アーモンドアイもまったく影響はありませんでした」
体重も増え、いまなお成長中。
では、安田記念から1カ月半経った今なら、すっかり疲れも回復していると考えて良いのだろうか? 直近の彼女について語っていただいた。
「7月中旬の時点でアーモンドアイはノーザンファーム天栄に放牧されています。7月初旬には牧場まで行って様子を見て来ましたけど、疲れは全くない感じでした。それどころかまた更に一段と成長している感じ。どこまで成長するのか? と思わせる感じでした」
2歳夏にはデビューし、一時は462キロまで減った馬体は、安田記念の際には484キロまで増えた。そして中間にあたる現在もなお成長し続けているというのだ。その言葉を信じれば、秋には更にひと回り大きくなって出てくる可能性がありそうだ。