ブンデス・フットボール紀行BACK NUMBER
長谷部誠は安泰、大迫勇也は主力。
ドイツの日本人たちは今季どこへ?
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byUniphoto Press
posted2019/07/20 11:50
ブンデスリーガのなかで最も始動が早かったブレーメン。コーフェルト監督は大迫に厚い信頼を寄せているようだ。
日本アニメ好きFWがプレミアへ。
少しだけ感傷的な気分に浸っていたら、私が住む街のアイントラハト・フランクフルトのニュースが流れてきました。
昨季ルカ・ヨビッチ(6月4日にレアル・マドリーへ移籍)、アンテ・レビッチとともにブンデス屈指の3トップを形成したFWセバスチャン・アレが、イングランド・プレミアリーグのウェストハムのメディカルチェックを受けるためにロンドンへ渡航したとのこと。
日本のアニメ好きで、今夏はチームメイトのゴンサロ・パシエンシアと一緒に築地や渋谷を観光して、長谷部誠とも交友を深めた愛すべき25歳のフランス人がフランクフルトを去ってしまう……。
知り合いのドイツ人の息子さんはアレの大ファンで、昨季も背番号9のユニフォームを着て毎試合ホームゲームで声援を送っていたから、悲しむでしょう。4バックの新戦術にトライしているアドルフ・ヒュッター監督も、最前線の“的”を失うダメージを、深刻に捉えているかもしれません。
「ピッチに11人が立っているのは間違いないだろ」
選手の入れ替わりは現代サッカーで避けて通れない試練である一方で、新たなる選手の台頭を予見させる未来の始まりでもあります。
行きつけのパブで、ビールをガブ飲みしている常連さんがいたので言葉を交わしました。
「今季のアイントラハトはどうなりますかね?」
「そんなの分からねーよ。まあ、シーズンが始まって、ピッチに11人が立っているのは間違いないだろ。俺たちはそいつらを応援するだけだよ」
達観したように笑みを浮かべる彼を見て、新シーズンへの楽しみが膨らんできました