“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
好調トリニータを繋ぐMF小塚和季。
イニエスタや中村憲剛のように。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/07/16 10:30
J1上位につける大分トリニータで開幕からすべてスタメン出場(18節時点)する小塚和季。「大分の14番」も定着してきた。
理想はイニエスタと「14番」。
天才がチーム戦術を深く理解し、それに適した自分の引き出しを開けながらプレーする。そこには黒子に徹しなければいけない部分も多々ある。それを彼は与えられた役割、自分が生きる道として捉えている。
もちろん、それで満足しているわけではなく、その先もちゃんと見つめている。
「ボールを失わないことはもちろん、昔のように相手をかわすドリブルもしたいと思っています。もう少し余裕を持って、イメージとしてはイニエスタのように常に顔が上がっている状態にしたい。相手が飛び込めない持ち方というのをやっていかないといけない。そうするにはもっと前で起点を作らないといけないし、積極的にフィニッシュに関われる選手にならないといけない」
プレースタイルに変化と進化を加えながらも、不変のものがある。それは大好きな背番号14だ。
「数字といえば14番。ロッカーとかでもいつも見てしまいます」と語るほど、大好きな番号を高校時代から背負い続けたが、プロの壁は自分の好きな背番号をも手放さなくてはならなかった。だが、大分では4年ぶりに14番を背負うことができた。
もしかすると必然的な巡り合わせで、彼がプロサッカー選手として本物になるのを待っていたのかもしれない。
「この14番をもっと輝かせないといけないですね。中村憲剛さんのように『14番と言ったら』という選手になりたいですし、もっと目立たないといけないですね」
エレガントな選手から、クレバーかつダイナミックな選手へ。大分の14番・小塚和季はさらなる進化を遂げていくだろう。