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今季のカープは「完投数」が急増中。
佐々岡、黒田から大瀬良への継承。 

text by

生島洋介

生島洋介Yosuke Ikushima

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photograph byNanae Suzuki

posted2019/07/11 18:00

今季のカープは「完投数」が急増中。佐々岡、黒田から大瀬良への継承。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

完全に広島のエースに定着した大瀬良大地。彼には偉大な先輩たちの血が流れている。

広島も2桁完投は2011年が最後。

 時代が変わったと言えばそれまでだが、広島も2011年の「10」完投を最後に近年は2桁に届いたことはない。投手個人でみても、かつての佐々岡や黒田のようにひとりで「13」試合も投げきる投手は彼らの後には出ておらず、2桁完投は2005年の黒田が最後。

 その後の先発投手では、2010年に「6」完投をマークした前田健太がコンスタントにチーム最多完投を挙げている。

 そんな減少傾向が今シーズン、久しぶりに変わろうとしている。

 冒頭に述べたとおり12球団トップの広島の完投「7」は、内訳が大瀬良大地「4」、アドゥワ誠、九里亜蓮、床田寛樹がそれぞれ「1」。先発投手陣が佐々岡の狙いを汲み、なかでもエース大瀬良が大きな変化を見せている。

大瀬良「中継ぎが休める日を作りたい」

「自分も中継ぎをやっていた時期があって、マエケンさんや黒田さんが投げる日は、今日は投げなくていいかなっていう話をしていたものです。今はまた先発になって、やっぱり中継ぎのピッチャーが休めるような日を作りたいと思う。中継ぎを経験しているからこそ、より強く思いますね。(ベンチ入りしている中継ぎ陣に)そう思われるようなピッチャーになりたいなと毎日思ってやってます。

 できるだけ長く投げる、ぼくの場合は完投の数を増やしていくのが一番の目標です。佐々岡さんが13回。とんでもない数字ですけど、そのぐらいやってみたい気持ちはありますね」

 インタビューでそう答えた大瀬良は、今年のキャンプから調整方法を独自にアレンジし、シーズン中のルーティンも以前とは変えているという。時代が変わっても受け継がれる思いはある。

 交流戦前に自己最多の4完投をマークした後は勝利からも遠ざかっているが、球宴後のエースはふたたびチームを牽引することができるか。

 ひとりで投げきり、チームを助けたい。大瀬良の真の「完投力」が試される。

今シーズンの大瀬良投手が打ち出す完投主義と、そのための周到な準備について、本人と佐々岡コーチへのインタビューをもとにしたNumber982号『大瀬良大地に完投主義を学べ』を、ぜひお読みください。
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