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長谷部は始動、香川の移籍はどこに?
「寂しいよ。シンジは英雄なんだぜ」
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2019/07/07 17:00
昨季途中にベシクタシュへ期限付き移籍していた香川真司。新シーズンの所属先はいつ決まるのか。
格下クラブとの親善試合の意義。
DJKバート・ホンブルクは「グルッペンリーガ」に在籍しています。
ドイツはブンデスリーガ1部をトップカテゴリーとして、2部、3部までがプロリーグ。以降はレギオナルリーガ(4部相当)、オーバーリーガ(5部相当。ここまでがセミプロ)、フェアバンツリーガ(6部相当)と続き、7部に相当するのがランデスリーガ、もしくはグルッペンリーガと称されるカテゴリーになります。
つまり、DJKバート・ホンブルクはフランクフルト近郊の街にあるアマチュアクラブ。そこへわざわざアイントラハトが赴き、彼らのホームで試合を行なうのです。この試合はアイントラハトのサプライヤーメーカー「ナイキ」も協賛していました。
アイントラハトとしては、アマチュアと親睦を図ることでクラブに対する関心を高めてもらうと同時に、チーム始動直後の各選手のコンディションを確かめるテスト的意味合いとしてもゲームを利用することができます。
ブンデスリーガではアイントラハト以外にも多くのクラブが下部カテゴリーのクラブと親善試合を実施しており、そのほとんどは対戦相手が主催者となります。そうすることで、格下のクラブが収益を得ることができるのです。
トップカテゴリーのクラブが地域振興や下位カテゴリーのクラブの認知度アップに貢献することで、国全体のサッカー文化の成熟、浸透に寄与しているだけでなく、お互いのクラブにとって有意義な交流として、現地では好意的に捉えられています。
ドルトムントに香川の姿はない……。
ただし、ヨーロッパ各クラブはこの時期にチームが始動するにも関わらず、その陣容が固まっていないことがままあります。今現在もこちらのフットボールシーンでは各選手の移籍関連ニュースが飛び交っていて、その情報も錯綜しています。
話題のひとつにドルトムントの動向があります。彼らのシーズン始動はアイントラハトと同じ7月3日でしたが、初日トレーニングにはすでに他クラブへの移籍が決まっているFWアレクサンダー・イサク、MFジェニス・ブルニッチ、MFフェリックス・パスラックに加え、ドイツ代表MFアンドレ・シュールレ、そして香川真司も参加しませんでした。
ドイツ国内はシュールレ、香川に対する関心が非常に高く、新聞、そしてTVなどでは連日画像や映像と共に詳細な報道がされています。