スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
ロンドン興行とブルペンの崩壊。
田中将大も苦戦、本塁打時代の闇。
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2019/07/06 11:45
6月29日、ロンドンシリーズ第1戦に先発登板した田中将大。日米通じて自己最短の2/3回を6失点で降板となった。
各チームの守護神候補がおかしい。
思いつくままに例を挙げよう。
ウェイド・デイヴィス(33歳)は、2014年から'17年にかけて、ロイヤルズやカブスで目覚ましい成績を残した。
4年間で244試合に登板して241回3分の1を投げ、79セーヴ。その間の防御率が1.45で、奪三振が313。
ところが、FAでロッキーズに入ってからは、どうもおかしい。'18年こそリーグ最多の43セーヴを記録したものの、防御率が4.13。今季は28試合に登板して25回を投げ、奪三振26個で、防御率が5.76と低迷している。
コーディ・アレン(30歳)も苦しい。'14年から'17年にかけてのインディアンス時代、アレンは282試合に登板して274回3分の1を投げ、120セーヴを記録した。防御率は2.62で、奪三振は369。つぎつぎと打者をなぎ倒す姿を覚えている方は多いのではないか。
その彼が、今季はエンジェルスで苦戦している。25試合で23回を投げ、4セーヴ。奪三振は29で、防御率は6.26という惨状だ。
2016年に輝いたミラーにも異変が。
2016年、ポストシーズンのヒーローだったアンドルー・ミラー(34歳)も、異変に見舞われている
あの年のALDS(地区シリーズ)とALCS(リーグ優勝決定シリーズ)で、インディアンスのミラーは6試合に登板して11回3分の2を投げ、相手に1点も許さなかった。奪三振は21!
「ミラーが中継ぎで出てきたら、試合はそこでおしまい」とさえいわれ、ALCSではMVPに輝いている。
そのミラーが、今季はカーディナルスで36試合に登板して26回3分の1を投げ、防御率4.10と打ち込まれている。奪三振38はさすがの数字だが、2014年から17年にかけての彼は、260試合に登板して261回を投げ、防御率1.72、奪三振421という凄まじい数字を残していたのだ。
ではなぜ、彼らはそろって急激な凋落を迎えたのか。