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ケガ人続出ホークスに大魔神現る。
196cm、椎野新のスケールがデカい。 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byKyodo News

posted2019/06/19 15:00

ケガ人続出ホークスに大魔神現る。196cm、椎野新のスケールがデカい。<Number Web> photograph by Kyodo News

今後の成長が期待される椎野新(左)。デスパイネを見下ろす感じになるくらい、デカい。

下半身があまりに頼りなかった。

 また、入団当初はユニフォームの着こなしも不自然に映った。

 上半身はそれなりにがっちりしているのだが、下半身があまりに頼りない。プロ野球選手らしく見えなかった。ブルペンで投げてみると余計にバランスが悪く映った。

 下半身が粘れていないために上半身の開きも早い。投げに行く際には左肩がかなり落ちてしまっていた。

 プロの世界で野球漬けの日々を過ごせば、体はすぐに大きくなる。その成果もあって1年目の昨季も一軍デビューを果たすことはできた。だが、公式戦の登板はその1度きりだった。

 シーズンオフになると、さらなる飛躍を期待されて台湾ウィンターリーグへ派遣された。その中の数日間だったが、工藤公康監督が直接視察をするために現地を訪れたのだ。それが大きな転機となった。

工藤監督から直に伝えられた助言。

 台湾の球場で一緒にランニングをしながら、工藤監督は椎野に股関節の柔軟性が大切であることを説いた。

「ストレッチをしっかりやるんだぞ」

 椎野はその言葉がすぐには理解できなかったが、今年のシーズンが始まる前の3月頃にその言葉をふと思い出して寮の自室などでストレッチを行うようになった。

 すると、わずかな期間で明らかな効果が表れた。

「もともと投球する時のステップ幅が6歩と少しだったのが、7歩まで伸びました。20cmくらいは変わったと思います」

 高身長から投げ下ろすのは最大の武器だが、長い手足を生かして打者のより近くにリリースポイントがあれば、打ちづらさは説明するまでもない。加えて体を鍛え続けたことで球速はもちろん上がった。現在は最速152キロをマークするようになった。

【次ページ】 雪合戦で磨いたコントロール。

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