ビダルをかわした久保のファーストタッチ。

　もちろん身体すら当たらせないほど、技術的な部分で圧倒的に上手くなるというのも1つの方法論です。その象徴的なプレーは後半20分の久保でした。

　中山（雄太）からのパスに対して、ワンコントロール目で警戒していたビダルから離れた位置にボールを置いた。スライディングするしかない間合いになったビダルをかわして、次のボールタッチでペナルティーエリアに入りつつ、メデルが身体をぶつけられないところに持っていった。技術で勝負するなら、このくらいのクオリティーが必要とされます。

　例えばメッシだと、相手に当たらせずフィニッシュまで持っていくのが得意パターンな一方で、体をぶつけられてもキープできるなど両方の資質を持っている。プレッシャーを受けても精度が落ちないプレー。これを目指してほしいです。

「経験したことがない筋肉痛」

　コパ初戦に臨むという緊張感、そして激しいチリ相手に90分間戦ったことで、普段は使わない筋肉にダメージがくるはずです。自分も初戦のあとに経験したことがない筋肉痛が来てビックリしましたから（笑）。

　中2日ということでコンディションの完全回復はできないですし、激しさを前面に押し出したチリに続いては、ウルグアイ。選手たちのテクニックはさらに高くなり、なおかつスアレスとカバーニというワールドクラスのストライカー2人がいる。さらにハードな試合が待ち受けています。

　メンバーが入れ替わる可能性もありますが、とにかくチャレンジする姿勢を貫いてほしいです。

（構成／茂野聡士）