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プレミア連覇マンCに2つの懸念。
コンパニ退団とペップの完璧主義。
posted2019/06/08 17:00
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
2018-19シーズンのプレミアリーグは、マンチェスター・シティとリバプールがハイレベルなマッチレースを演じた。
史上最強にして最高の2位に終わったリバプールも、最終的にはチャンピオンズリーグを制している。ユルゲン・クロップ体制が実を結ぶまでおよそ4年を要したが、強いチームを創るにはそれなりの時間と辛抱が必要だ。上層部が監督を、監督が選手を信じ続けたリバプールは、近代フットボールの理想形といっていい。
それにしても今シーズンのシティは凄まじかった。リバプールの勝点97は通常のシーズンならぶっちぎりの優勝だが、ジョゼップ・グアルディオラ監督のチームは堂々と力でねじ伏せたのだから。
度重なる負傷でわずか19試合の出場に終わったケビン・デブライネ欠場の穴はベルナルド・シウバが完全に埋め、セルヒオ・アグエロは最終節まで得点王の可能性を残していた。ラヒーム・スターリングは精神的に成長し、GKエデルソンの守備は相変わらず規格外だった。
チャンピオンズリーグでは準々決勝のトッテナム戦で悔しい思いをしたものの、シティの実力がトップランクであることに疑いの余地はない。
頭脳派リーダー、コンパニの退団。
しかし、シーズン終了後に気になる動きがあった。バンサン・コンパニが退団し、アンデルレヒトのプレーイング・マネジャーに就任したのだ。
彼はシティの幹部候補生で、いずれは監督、コーチとしてクラブに復帰すると伝えられている。経営学修士を取得するほど頭脳明晰であるため、経営面にタッチすることも期待されている。つねに前向きで後輩の面倒見もよく、グアルディオラも絶賛していた。
「コンパニはリーダーとして生まれてきたに違いない。言いにくいことでも、その選手を思って的確にアドバイスする。我々のロッカールームは彼がいればまとまるんだ」
生まれながらのリーダーが消えたロッカールームは、誰がまとめるのだろうか。