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プレミア連覇マンCに2つの懸念。
コンパニ退団とペップの完璧主義。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2019/06/08 17:00
サネ(右)らシティ所属の面々の去就が騒がしくなっている。来季はCL王者リバプール相手に太刀打ちできるのか。
宿敵リバプールは今が旬だけに。
コンパニが退団し、D・シルバが衰え、アグエロとフェルナンジーニョも体力的なピークを過ぎた事実を踏まえると、新シーズンのシティに今シーズン以上を望むのは酷かもしれない。ギュンドガンとサネの去就も気になるところだ。直近2シーズンで勝点198(異常だ!)を稼いだ強者も、少し苦しくなるだろう。
宿敵リバプールは33歳のジェイムズ・ミルナーを除く主力が20代で、まさに“旬”。ジョーダン・ヘンダーソンはキャプテンのロールモデルであり、ビルヒル・ファンダイクのリーダーシップは誰もが認めるところだ。
そして指揮官のクロップは、グアルディオラほど細かくない。選手との距離も抜群だ。ヨーロッパを制したいま、新シーズンは30年ぶりとなるイングランドのテッペンに照準をセットする。
新シーズンのプレミアリーグはリバプールが走り、どこまでシティがすがりつけるかだろう。トッテナムはユーゴ・ロリス、ヤン・ベルトンゲン、トビー・アルデルバイレルトがピークを過ぎようとしており、ひとつのサイクルが終わろうとしている。チェルシーは監督人事でゴタゴタし、アーセナルは補強費がない。ユナイテッドは言うに及ばず、だ。
トップ6からなる構図はすでに崩壊している。2強の鍔迫り合いも終焉に近づいてきた。リバプールの時代へ──。プレミアリーグの風景が変わろうとしている。