欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
息抜きはサッカー、来季はメッシと?
伊東純也流「ベルギー“地味”生活」。
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byKai Sawabe
posted2019/06/03 08:00
子供たちと戯れる伊東純也。自然体で過ごせたことが、移籍1年目の好結果に繋がったのかもしれない。
「イトー! イトー!」の大合唱。
これを聞いて、私は伊東のことがうらやましくなった。
日常のストレスを忘れられるのは、サッカーをしているときだけ。それが仕事だなんて、なんて素晴らしいことだろう。伊東という若者は、サッカーさえ楽しくできれば、他のことがどれだけつらくても生きていくことができるのだ。
私は過去、「海外でサッカーをするには、その街に馴染まなきゃいけない」と書いてきた。
言葉が苦手で、あまり街を出歩かない伊東は、そうしたタイプではないかもしれない。しかし、ファンにとても愛されている。ボールを持つたびに、スタジアムは「イトー! イトー!」の大合唱に包まれる。そして結果もしっかり出た。場所が変わっても、無理に自分を変えたりせず、自然体でやっているのがいいのだろうか。
マイペースな伊東が意識する選手。
伊東はサッカーでは、ほとんど緊張したことがないという。
「いつも自分のプレーをするだけ。相手がだれかということは、ほとんど考えたことがないんです」
そんなマイペースな男が、ただひとり意識する選手がいる。メッシだ。
「だれが見たってすごいじゃないですか。だから彼とは同じピッチに立ってみたいんです」
チャンピオンズリーグに参戦する来季、特別な90分が訪れるかもしれない。