バレーボールPRESSBACK NUMBER
早稲田大の1年生・大塚達宣の選択。
Vリーグの誘いを断り、大学で伸びる。
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byYuka Shibata
posted2019/05/27 08:00
黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会では決勝T進出に貢献した早大・大塚達宣(左)。新人賞を獲得した。
「流れは自分が引き寄せる」
全勝優勝を決めた春季大学リーグの最終戦ではまさにそれを実践するかのようなシーンが何度もあった。
課題とするサイドアウトからの攻撃のみならず、ラリー中の二段トスを託され、3枚ブロックに対しても果敢に打ち込む。特に味方の好レシーブでつないだラリーは、リバウンドを狙ったり、フェイントを落とすのではなく、ブロックに当てて飛ばし、また違う場面ではブロックの上から打つ。
体勢が崩れても、とにかく逃げずに攻め続けた。
「気持ちよくスパイクを打った1点も、苦し紛れで決まったブサイクな1点でも、1点は1点ですが、二段トスや、苦しくても『ここは勝負にいっていいんじゃないか』というところで1本決まると、同じ1点でもそれ以上のものがある。流れは自分が引き寄せる。それは常に意識しているし、そういう存在になりたいです」
クレバーで、スマートに、でも泥臭く。未来を、自ら切り拓いていく。