“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
大分生まれ、浦和育ち、湘南で還元中。
梅崎司にとって古巣戦は「幸せ」だった。
posted2019/05/25 11:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
「この2連戦は学びの多かった時間だった」
湘南ベルマーレMF梅崎司は、J1第11節の大分トリニータ戦、12節の浦和レッズ戦と立て続けに、かつて自身が在籍した“古巣”との戦いを経験した。
高校進学と共に生まれ故郷の長崎を離れ、大分U-18に加入。ギリギリでトップ昇格を勝ち取ると、そこから3シーズン(2007年1月~5月はフランス・グルノーブルに期限付き移籍)をプロとして大分で過ごし、'08年から'17年までの10年間を浦和で過ごした。
「大分は僕の故郷のようなもの。大分でプロにさせてもらったし、僕のサッカー人生は大分で切り開かれていった。レッズもまた、僕にとってすごく大切なチーム。埼玉スタジアムは本当に最高の場所だし、この2つのチームは僕にとって重要なもの」
苦労人でもある梅崎にとって、大分と浦和は切り離せない存在である。この思い入れあるチームとの2連戦は、これまでのサッカー人生の中でも特別な時間だった。
古巣・大分との対戦は6年ぶり。
大分との対戦は浦和時代にも経験をしている。浦和移籍1年目の'08年に初対戦もその後、大分が'09年シーズン(17位)にJ2降格。J1へ復帰した'13年にも対戦したが、その年に再びJ2降格したため、大分との古巣対戦は実に6年ぶりであった。
「大分とやるのは本当に久しぶりで。自分が歳を重ねて、いろんなものが見えてきているからこそ、いろんな思いが浮かんできました。大分戦は『昔の自分の残像』が蘇ってきたんです。もっと前に行きたいな、縦に行きたいな、勝負したいな、勝負しなきゃいけないなと……。ワンプレー、ワンプレーでその姿が蘇ってきて、気持ちが強まってきたんです」
そんな中、梅崎がハッとさせられたのは、31分のシーンだった。