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遅れてきたロッテの切り札。
高濱卓也“ひと振り”にかける1年。 

text by

永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

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photograph byKyodo News

posted2019/05/16 11:30

遅れてきたロッテの切り札。高濱卓也“ひと振り”にかける1年。<Number Web> photograph by Kyodo News

FAの人的補償として千葉ロッテに加入した高濱卓也。横浜高校では1年時からレギュラー、2年春にはセンバツ優勝も経験した。

感傷に浸る時間はない。

 本音をいえば、体が壊れるかもしれない、そんな不安もあった。そこで彼の心を支えたのは前述の妻の一言と、これまで続けてきた野球への情熱だ。

「(キャンプ初日は)正直、体がどうなるか分からなかったんですよ。盲腸で体を切っている分、腰に影響が出るかもしれなかったですし、実際、12月にリハビリをやっていたときも結構腰に負担が出たりもしていました。そこはもう賭けでしたね。『壊れてもいい覚悟で』と言ったのはその部分があったんです。

 たしかにキャンプ初日の紅白戦でホームランを打ちましたけど、自分の中ではそこまで打てて『良かった』とは思わなかったです。それよりも体に何も影響が出なくて良かった。これでもっと追い込んだ練習ができると、そっちの安心の方が強かったんです」

 今年で30歳という年齢を考えれば、まだまだ老け込む年ではない。むしろここからが彼の新たな幕の始まりだ。

 感傷に浸っている暇はどこにもない。“ひと振り”にかけた男の逆襲がここから始まる。

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#千葉ロッテマリーンズ
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