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聖地アンフィールドに凱歌は響くか。
リバプールOBが語る涙の歴史秘話。

posted2019/05/12 09:00

 
聖地アンフィールドに凱歌は響くか。リバプールOBが語る涙の歴史秘話。<Number Web> photograph by Getty Images

サラー、フィルミーノらのタレントはもちろんだが、リバプール最大の魅力と言えば、やはりアンフィールドの熱なのだ。

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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Getty Images

悲願のプレミア制覇、そして欧州制覇へ向け、
屈辱に耐えてきたリバプールがいま邁進している。
躍進の理由は選手か、監督か、サポーターか……。
OBの言葉で、かつてないほどの期待感の源泉をさぐる。
2018-19シーズンのプレミアリーグ最終節を前に、
Number977号(2019年4月25日発売)の特集記事を全文掲載します!

 リバプールの本拠地アンフィールドは、マッチデーになると人々の感情で溢れかえる。キックオフ前にはオープンで素朴なスカウサー(マージーサイド地方出身者の俗称)たちが世界で最も有名なフットボールアンセム『You'll never walk alone』を高らかに歌い上げ、なかには感極まって涙を流す人もいる。

 試合が始まれば、声のかぎりに選手たちをサポートし、勝っても負けても愛するチームに情熱を注ぎ続ける。地球上で一番熱い競技場のひとつだ。

 そんなファンが長らく待ち望んできた栄冠が今季こそ手に入るかもしれない。アンフィールドには大きな期待が充満している。

 リバプールが名門と呼ばれる所以は、イングランド勢最多となる過去5度の欧州制覇と、マンチェスター・ユナイテッドに次ぐ18度の国内リーグ優勝を誇るからだ。しかし最後にトロフィーを掲げたのは、CLが14年前、リーグにいたっては29年も前のこと。1892年に創立された長い歴史を持つクラブにとって、およそ30年間もリーグ王座から離れているのは初めてのことだ。

ジェラード、トーレスを擁した頃。

 ただしこの屈辱的な期間にも、リーグタイトルに迫ったシーズンが何度かある。当時のチームの状況を知れば、今季の成功のために必要なものが見えてきそうだ。

 ひとつ目は'08-'09シーズン。全盛期のスティーブン・ジェラードやフェルナンド・トーレスらを擁したチームは、5季目を迎えたラファエル・ベニテス監督のもと、開幕10試合を8勝2分と好スタートを切った。

「あの頃の僕らはバランスの取れた良いチームだったと思う」

 そう10年前を振り返るのはハビエル・マスチェラーノだ。中盤に目を光らせ、チームのバランスを保った守備的MFである。現在、中国の河北華夏に所属する元アルゼンチン代表は、嬉しそうに当時を思い出す。

「最後尾から前線まで、質の高い選手が揃っていた。ペペ・レイナ、マルティン・シュクルテル、シャビ・アロンソ、ジェラード、フェルナンド……。よく覚えているのは、ユナイテッドを敵地で4-1と下した試合だ。クリスティアーノ・ロナウドに先制されながらも、フェルナンドのゴールで追いつき、ジェラードのPKで前半のうちに逆転。ゴール後に彼がテレビカメラにキスをした場面を覚えている人も多いだろう。ファビオ・アウレリオのFKとアンドレア・ドッセーナのループシュートも美しかった」

【次ページ】 ベニテスとクロップの大きな違い。

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