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女子サッカーフランス代表が大変貌!
W杯優勝候補が歩んだ紆余曲折。
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph byPierre Lahalle/L'Equipe
posted2019/04/22 10:30
女子代表チームを大幅に改造したコリーヌ・ディアクル監督(右から2人目)。ただ、4人のDF陣だけはほとんどいじらなかった。
「点が取れないのは精神的な問題だ」
またディアクルは、ここ最近フランスの弱点とされていた決定力の改善にも乗り出した。レールが解説する。
「私が思うに点が取れないのは精神的な問題だ。いかにタイミングよくシュートを打つかで、選手の才能に問題があるわけではない。
コリーヌもスタッフも、最高の状態で大会に臨めると確信している。
ここ数年のフランス代表は、チームの雰囲気が必ずしも良くはなかったが、彼女は厳しさと快適さのバランスを常に求めている。チームを管理するにあたり、意図して特定の選手を刺激している。そのやり方が正しいと思うのは、弛緩した空気が選手の間を流れるのを、絶対に阻止しなければならないからだ」
驚くべきことに4月の合宿では、今季バルセロナでチャンピオンズリーグ準決勝進出を果たした29歳のケイラ・アムラウィを監督就任以来初めて招集した(アムラウィ自身も2016年以来の代表復帰)。
「いいタイミングだったと思う」とディアクルは語る。
「代表のドアは誰に対しても開いている。私自身が後悔したくなかったから、今、彼女にどれだけのことができるのかを実際に見たかった」
「まだ勝利の文化は存在しない」
世代交代が進んだとはいえチームの半分は前回ワールドカップ経験者で、うち6人(ルナール、アンリ、ルソメール、ブアディ、エムボク、マジリ)がリヨンに所属する。彼女たちがチームの柱となっている。
「代表にはクラブにあるような勝利の文化はまだ存在しない」とレールは言う。
「ワールドカップで選手たちは徹底して厳格かつ冷酷にならねばならない。その点でリヨンの選手たちが大いに役に立つだろう。
ヨーロッパチャンピオンと接することで、チームメイトたちも必要なときに必要な要求を満たすことができるようになる」