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女子サッカーフランス代表が大変貌!
W杯優勝候補が歩んだ紆余曲折。
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph byPierre Lahalle/L'Equipe
posted2019/04/22 10:30
女子代表チームを大幅に改造したコリーヌ・ディアクル監督(右から2人目)。ただ、4人のDF陣だけはほとんどいじらなかった。
新しい世代の台頭を促した。
アビリらの世代の表舞台からの退場は、新しい世代の台頭を引き起こした。
サキナ・カルシャウイ(モンペリエ)やグラス・ゲヨロとイブ・ペリセ、マリーアントワネット・カトト(ともにPSG)ら2016年U-20ワールドカップ準優勝組が、代表に新しい風を吹き込んだ。
目前に迫ったワールドカップでも、当然ながら彼女たちに期待がかかっている。
「コリーヌはチーム内に競争を作り出した」
この4年の間にフランス代表は、3人の異なる監督が指揮を執った。
1997年から2013年までわずかふたり(エリザベート・ロワゼルとブルーノ・ビニ)であったことを考えるといかにも多い。
ビニから監督を引き継いだベルジュローは、リオ五輪後にオリビエ・エシュアニにバトンを渡したが、エシュアニは1年と持たずにEURO敗戦の後でコリーヌ・ディアクルに後を託したのだった。
「男子サッカーの指導者たちに期待をかけたのだが、思うような結果が得られなかった」と、自身も候補者のひとりに挙げられていたレールが事情を説明する。
「それでコリーヌが招聘された。彼女はリーグ2のクレモン(男子チーム)で実績を残していた。彼女ならば聖なる杯を戴く(=世界制覇を成し遂げる)ことができるだろうと、期待を込められた人選だ。この1年半というもの、彼女は目的達成に向けて全力を注いでいる」
チーム再建のために、ディアクルは積極的に動いた。
40人以上の選手をテストしてグループの再編成をおこなったのだった。テストマッチもドイツ(2度)とイングランドに敗れただけで、好成績を残している。
「コリーヌはチーム内に競争を作り出した。選手同士を競わせ、同時に組み合わせをテストした。誰が国際レベルで戦えるかを、実際に試してみる必要が彼女にはあった」とレールはいう。