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女子サッカーフランス代表が大変貌!
W杯優勝候補が歩んだ紆余曲折。
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph byPierre Lahalle/L'Equipe
posted2019/04/22 10:30
女子代表チームを大幅に改造したコリーヌ・ディアクル監督(右から2人目)。ただ、4人のDF陣だけはほとんどいじらなかった。
あと一歩……でいつも敗退したフランス。
カナダ・ワールドカップで、イングランドを抑えてグループリーグ首位通過を果たしたフランスは、準々決勝でドイツと対戦した。
だが……試合内容ではドイツを圧倒しながら、決勝点を決められずにPK戦の末に涙をのんだ。
そして1年後のリオ五輪でも、アメリカに次ぐ2位でグループリーグを突破した後に準々決勝で伏兵のカナダに敗れ、再びベスト4を前に敗れ去ったのだった。
五輪終了後に退任したベルジュローを引き継いだのは、やはり女子サッカーの経験がまったくないオリビエ・エシュアニだった。
スタートは順調で、EURO2017予選を問題なく突破して本大会出場を決め、「シービリーブスカップ2017」でもイングランドとアメリカを破り(ドイツとは引き分け)優勝を果たした。
ところが初優勝の期待がかかったEURO2017(オランダ開催)では、オーストリアに次ぐ2位でグループリーグを突破した後、準々決勝でイングランドに敗退(0対1)。またもやベスト8の壁に跳ね返されたのだった。
前大会の主力がごっそり抜けた。
このとき問題となったのが、4試合でわずか3点しかあげられなかった得点力の欠如だった。
またこの大会は、終了後にカミーユ・アビリが代表引退を表明するなどひとつの時代の終わりでもあった。
アビリと前後して2015~'18年にかけて、ルイーザ・カダムロ(旧姓ナシブ)やエロディ・トミスをはじめ長年にわたり代表を支えてきた主力たちが、次々と代表を去っていったのだ。
「彼女たちは何らかのタイトルを獲得してしかるべきだった。それだけの力を彼女たちは持っていた」と、2011年と2012年にリヨンをチャンピオンズリーグ連覇に導いたパトリス・レールは述懐する。