欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
世界が羨むイングランドの才能たち。
ペップが狙う20歳、マンUの10番も。
posted2019/04/11 11:15
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
誰だって、自分の国の代表がいちばん気になる。森保一監督率いる日本代表が世界を驚かせてくれたら、朝まで祝杯をあげるかもしれない。
ただし日本以外に、気になる代表チームがある方も少なくはないだろう。
ペレ、ロベルト・リベリーノ、ジーコ、ロナウジーニョと栄光の系譜が続くブラジルの人気は根強いが、いまではネイマールの愚行がその名を汚している。
アルゼンチンはディエゴ・マラドーナを凌ぐリオネル・メッシという大スターが現われたが、彼も三十路を過ぎた。
フランスはミシェル・プラティニに、オランダはヨハン・クライフに匹敵するタレントが見当たらず、ドイツはゲルマン魂なる表現そのものが偽物だった。ゲルマン魂……現地ではいっさい用いられていない。
イングランドは“発祥の地”でしかない。
これらに比べると、イングランドは不人気である。
地元開催した1966年W杯は優勝したものの、決勝におけるジェフ・ハーストのゴールは極めて怪しく、53年前にVARが存在していれば、間違いなくノーゴールだ。'86年メキシコW杯で得点王に輝いたガリー・リネカーにしても、前述した各国の大スターに比べると知名度は低く、実績も乏しい。
また、'66年W杯に次ぐ好成績は'90年イタリア大会、2018年ロシア大会の4位が最高なのだから、強豪のひとつに数えるには無理がある。
立ち位置としては上の下、あるいは中の上といったところだ。あくまでも“フットボールの発祥地”でしかない。
しかし、突如として風向きが変わった。