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柏に3失点も「スッキリした敗戦」。
手倉森監督は長崎をどう進化させる?
posted2019/04/06 10:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
J.LEAGUE
さすがの跳ね返しだった。
4月3日に行われたJ2リーグの第7節で、V・ファーレン長崎は柏レイソルに0-3で敗れた。29本ものシュートを浴び、失点シーン以外にも多くの決定機を作られた。試合後の記者会見に臨んだ長崎の手倉森誠監督は、「受け止めなければいけない結果」と切り出した。
ところが、表情に陰りはないのである。
「サポーターには悔しい敗戦をさせてしまいましたけど、自分のなかではスッキリした敗戦です」
2019年の長崎は、リスタートをはかっている。
クラブ史上初のJ1で最下位に終わった昨シーズンの結果を受けて、6年間采配をふるった高木琢也監督との時間にピリオドを打った。代わってクラブを託されたのが手倉森監督である。かつてベガルタ仙台をJ2からJ1へ昇格させ、リオ五輪代表監督と日本代表コーチを務めた51歳は、「1年でのJ1復帰」を高らかに宣言した。
7試合でJ3降格圏のひとつ上の20位。
2月24日の開幕戦は、横浜FCに1-0で勝利した。昨シーズンのJ2で3位に食い込んだ昇格候補を、後半終了間際のゴールで退ける。続くアビスパ福岡戦でも、アウェイで勝点1をつかんだ。
流れが変わったのは第3節である。開幕連勝スタートの水戸ホーリーホックにホームで0対1の敗戦を喫し、第4節のヴァンフォーレ甲府戦も0-2で敗れた。第5節の愛媛FC戦は1対0で勝利するが、第6節の大宮アルディージャ戦、第7節の柏レイソル戦は黒星がふたつ並ぶ。ここまで2勝1分4敗は、J3降格圏のひとつ上の20位だ。
8位のアルビレックス新潟までは勝点3差=1勝差しかなく、首位の甲府とも勝点8差である。順位や勝点を気にするにはまだ少し早いが、最終的な順位がほんのわずかの差で決まることもある。シーズン序盤とはいえ、取りこぼしはできるだけ避けたい。