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原口元気、浅野拓磨の試練は続く。
ハノーファーが6連敗で最下位に。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byUniphoto Press
posted2019/04/05 17:30
シャルケ戦ではサイドバックでもプレーした原口。指揮官から絶大な信頼を寄せられるも、厳しい残留争いの渦中にいる。
苦闘が続くハノーファー、会長も白旗?
気分が冴えないのは、原口元気と浅野拓磨が所属するハノーファーの成績が低迷の一途を辿っているからかもしれません。
シャルケ戦前、26試合を終えて3勝5分18敗の17位。ウィンターブレイク明け以降は最下位ニュルンベルク相手に1勝したのみで、引き分けもなく8敗。チームを率いていたアンドレ・ブライテンライター監督はすでに職を追われ、元ドイツ代表トーマス・ドルを迎えてからも苦闘が続いています。
残留争いのライバルであるシュツットガルトとの第24節で1-5と大敗した際は、ドル監督が「臆病者のサッカー」と選手たちのプレーを糾弾する始末。また、歯に衣着せぬ発言で現場に介入したがるマルティン・キント会長が約10試合を残した時点で早くも白旗宣言的な言葉を発するなど、クラブ全体が一枚岩になれない印象を醸しています。
そんな雰囲気は当然ピッチ上にも波及していて、失点を許すとさしたる抵抗もせずに敗戦を受け入れるゲーム内容が続き、HDIアレナに集うサポーターの数も減少している印象を受けます。
スタンドを埋める低迷シャルケのサポーター。
ただ、第27節は一転して多くの観衆がスタンドを埋めました。それはハノーファーの人気が回復したからではなく、シャルケのサポーターが大挙押し掛けたから。スタジアムまでの道中に並ぶクナイペ(ドイツ式居酒屋)やパブを覗くと、青いユニホームを纏った人々ばかりがたむろしていました。
シャルケのサポーターは、麗らかな気候も相まってどこまでも陽気です。ハノーファー同様に成績が低迷していて、新進気鋭の若手指揮官ドメニコ・テデスコ監督が更迭されたばかりなのですが、両サポーターの振る舞いの違いは何なのでしょうか?
なかなか興味深いので、今後はブンデスリーガ各クラブのサポーターたちの気質なども考察してみたいところです。