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オランダでもがく板倉滉の逆襲。
「堂安がA代表、自分はアンダー」
posted2019/04/06 11:30
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
VI Images/AFLO
オランダの首都、アムステルダムから電車で約2時間半。オランダ北部における商工業の中心都市・フローニンゲンに、マンチェスター・シティ経由で1人の男が降り立った。
板倉滉、22歳。
神奈川県の横浜市に生まれ、小さい頃から川崎フロンターレの下部組織で育った少年は、年を重ねながらいくつもの経験を経て、今年、海を渡る決断をした。
これまで過ごした土地とは違い、都市部のような喧騒のない街で静かに牙を研ぐ日々。
「大きな街に出るのに数時間ぐらいかかるので、あまり遊びに行くこともしていない。だからこそ今はよりサッカーに集中できています」
若き侍はオランダの地で新たな挑戦に励んでいる。
「出してくれたら自信はあるけど」
マンチェスター・シティからの期限付き移籍でフローニンゲンに加入して約3カ月。板倉はもがいている。
公式戦ではベンチにこそ座っているものの、いまだ監督から交代の声をかけられたことはなく出場機会はゼロ。練習でもCBやSBなど空いたポジションに据えられることが多く、本来のボランチでプレーする機会は限られている。
もちろん最初から出られるとは想像していなかったと言うが、想像以上に厳しい現実が待ち受けていたことは明らかである。
「個人的には出してくれたらやれる自信はある。だけど監督からは、自分としては“まだまだ見られていないな”という印象が強いし、練習からすごく感じている。だからどこ(のポジション)をやるにしても、自分の持ち味を見せないといけないと思っている。どうにかそこで『こいつを使おう』と思わせるプレーをしないと。とにかく今は練習から必死にやっています」