JリーグPRESSBACK NUMBER

“マイアミ世代”田中コーチも期待。
磐田DF大南拓磨に芽生えた自覚。 

text by

望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

PROFILE

photograph byJ.LEAGUE

posted2019/03/25 16:30

“マイアミ世代”田中コーチも期待。磐田DF大南拓磨に芽生えた自覚。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

第4節大分戦では退場処分となるも、着実に出場機会を増やす大南。東京五輪メンバー入りを目指し、アピールに邁進する。

田中誠コーチ「今後はフル代表で」

 大南はプロ4年目の21歳となる。もちろん、選手としてまだ完成されているわけではない。『マイアミの奇跡』を巻き起こしたアトランタ五輪に出場した経験を持ち、その後はフル代表でも活躍したジュビロの田中誠コーチは言う。

「自分も、若い頃にミスなくプレーしてきたわけじゃない。今回のように、相手にやられて覚えることもある。もう失敗しないようにと思って頑張ることが成長につながる」

 その大南が、非凡なものを持っている選手であることは事実だ。田中コーチは続ける。

「高さもスピードもフィジカルの強さもあり、世界に通用するものを持ち合わせている。そこには戦術眼なども必要だが、これから経験を積み上げながら、代表などで海外選手など上のレベルと試合をすることで徐々に身につくもの。事実アジア大会後は、ボールコントロールや相手への対応などでプレーが安定してきた。今後はフル代表でやる選手だと思うので、我々指導者も本当にやりがいがある」

合格点はまだまだ。

 ここまで一緒にプレーしてきた先輩DF藤田義明も、自身のライバルとして成長してきた後輩を高く評価する。

「以前は状況判断とかポジショニングに甘いところもあったが、いまは余裕が出てきたせいか判断が早くなった。一発退場も経験したが、本人は切り替えていた。自信を持ったこともあるだろうが、メンタル面も強くなってきたと思う」

 しかし、高くなってきた周囲の評価にも、大南本人は合格点を与えてはいない。

「自分に足りないものは、リーダーシップや後ろからのコーチング。ほんとうにまだまだだと思う。東京五輪代表の戦いがスタートを切っている中で、その足りない部分を高めていきたい」

 熾烈な戦いの先に東京五輪がしっかりと見えてきたとき、多くの可能性を持ち合わせた大型DFの世界舞台での戦いが始まる。

BACK 1 2 3
ジュビロ磐田
大南拓磨
田中誠
藤田義明
東京五輪
オリンピック・パラリンピック

Jリーグの前後の記事

ページトップ