フランス・フットボール通信BACK NUMBER
標高4150mで毎日サッカーできる!?
世界で最も高い場所にあるプロクラブ。
text by
トマ・アランThomas Alain
photograph byFacebook Always Ready
posted2019/03/22 09:00
ボリビアはエルアルト(標高4150m)の街から仰ぎ見る山岳風景。富士山(標高3776m)より高い所でサッカーをする、ということになる。
移動の道のりに幽霊の格好で立つ。
標高とサッカーの関係でいえば、ボリビアはその恩恵に最も浴していると常に批判されてきた。
ラパスでの国際試合を実現し続けるために、ボリビアはずっと戦ってきた。“ベルデ(ボリビア代表の愛称)”が成功を収めるたびに、それは高地であるからこそ成し得たものであり、対等な条件で戦うべきという議論がなされた。だが、ビルガスは、高地での戦いは言い訳に過ぎないという。
「ブラジルやアルゼンチン、ウルグアイのクラブや代表チームは、高地の戦い方をよく知っている。だから彼らがラパスにやって来ると、われわれのサポーターは空港からホテルまでの道のりに、幽霊の格好をして立ち尽くして彼らを迎えるんだ。それが彼らの恐怖を呼び起こすからね。
ところがそうしたことを理解できず、また試合前に選手にプレーのことしか語ろうとしないチームには、恐怖が伝わらない。ここでいい結果を得られるのはそんなチームなんだ」
エボ・モラレス大統領は、2030年ワールドカップの共同開催に、ボリビアはアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイとともに加わる意志があると述べている。世界最高地でのワールドカップを、戦の女神ははたして望むのだろうか……。