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フランクフルトが驚異の13戦無敗!
チームの大黒柱は“皇帝”長谷部誠。
posted2019/03/23 17:00
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Getty Images
ウチの大家さんが、遂に長谷部誠のことを認識しました!
僕が暮らすフランクフルトのアパートメントの大家さんは妙齢の女性で、サッカーにはまるで関心なし。娘さんはかろうじて「バンヤン(バイエルンの愛称)なら知っている」のですが、大家さんは「あなたは、なんで平日にいつも家にいるの? フッスバルは毎日試合しないの?」と聞く始末で、地元の由緒正しきクラブ、フランクフルトの存在すらも知らなかったほどでした。
そんな大家さんが先日、僕にこんなことを言うではありませんか。
「観たわよ、テレビで。ヤパーナー(日本人)がボールを蹴っているのを。あの子、なかなかカッコいいじゃないの」
おお、なんたる進歩! その選手の名前は、マコト・ハセベと言います。
「マコート。発音しやすいわねぇ。あなたの名前よりもよっぽど良いわ」
……。
人気も上昇、チームも好調。
いやぁ、それにしても、あの大家さんですら認識してしまう、フランクフルトと長谷部の知名度の高さ。フランクフルトは以前からドイツで屈指の人気チームとして名を馳せていますが、昨季バイエルンを破ってDFBポカールを30年ぶりに制したのを境に、その盛り上がりが急速に高まっているのを感じます。
今季のフランクフルトは序盤戦こそ躓いたものの、その後は順調にリーグ戦で勝ち星を積み上げたうえ、ELでもグループステージ6戦無敗で決勝トーナメント進出の大躍進ぶり。その勢いはウィンターブレイクを挟んでの後半戦でも衰えず、なんと年明けからは公式戦13戦無敗(7勝6分)。リーグは来季CL出場圏内の4位と勝ち点1差、ELではセリエAのインテルに競り勝ってベスト8進出と、風雲昇り龍の勢いを保っています。