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標高4150mで毎日サッカーできる!?
世界で最も高い場所にあるプロクラブ。
text by
トマ・アランThomas Alain
photograph byFacebook Always Ready
posted2019/03/22 09:00
ボリビアはエルアルト(標高4150m)の街から仰ぎ見る山岳風景。富士山(標高3776m)より高い所でサッカーをする、ということになる。
1年で、クラブは街に溶け込んだ。
2018年シーズンは静かに始まった。しかしチームの活躍が次第に観衆を集め始め、昨年12月には見事2部リーグ優勝を果たした。
「決断が間違いでなかったことがこれで証明された」とコスタは喜んだ。
「移転から1年が過ぎて、エルアルトの人々はクラブがこの街のものであることをハッキリと意識している。そうした一体感を作り出すことができた。シーズンの最後には、2万人以上の観客が詰めかけていたからね」
問題は昇格の要件となる1部の基準をクリアできるかどうかだった。
世界で最も高い場所にあるプロクラブ。
つい最近まで上下水や電気も通っていなかった地区で、スタジアムと周辺整備の工事が急ピッチで進められた。ようやく協会の承認が得られたのは、リーグ5度優勝の強豪ホルヘ・ウィルステルマンとのリーグ戦第2節、生まれ変わったスタジアムのこけら落としとなった試合の数日前のことだった。
このこけら落としは、現職大統領のエボ・モラレスと次の選挙でライバルとなるカルロス・メサのふたりをはじめ厳選されたVIPたちと、各国からのジャーナリストが集まり盛大におこなわれた。
こうしてオールウェイズ・レディは、世界最高峰に位置するプロサッカークラブとなった。
1986年から2001年にかけては、ペルーのウニオン・ミナス(標高4378m)が世界一であったが、現在はアマチュアの3部リーグに落ちているからだ。