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女子バスケWリーグ史上初の11連覇。
JX-ENEOSを突き動かした向上心。
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byAFLO
posted2019/03/09 09:00
11連覇の原動力となった渡嘉敷。今季平均18.4得点、10.2リバウンドでレギュラーシーズンMVPにも輝いた。
勝ち続けることの難しさ。
「勝ち続けることの難しさは連覇を重ねるにつれて強くなっていっていましたし、プレッシャーを感じながらもそれを乗り越えてくることができたと思うんですけど、今シーズンに関しては『11連覇しよう』とか『歴史を変えよう』ということを選手は一切感じずに、ただ目の前の試合に勝ちたい、優勝したいという気持ちが強かった。
スタート5人の中の2人が代わったからこそ優勝したいと思いましたし、このファイナルでJXの強さを証明できた。いろんな経験を経てきたからこそ、11連覇ができたんじゃないかと思います」
ルーキーイヤーから一貫してスターターの座を担ってきた吉田は、今シーズンは入団13シーズン目にして初めてベンチスタートに回ることとなり、個人としても大きなチャレンジの1年だった。
新しいモチベーションが生まれた。
スターターを外れてもプレーのクオリティは落ちておらず、日本リーグ時代以来22年ぶりにアウォード表彰に復活した「ベスト6thマン」に圧倒的な得票数で選出。
吉田自身は新たな役割の難しさを感じると同時に、今までとは異なるモチベーションも生まれていたという。
「途中から出ていって流れを変えること、悪い流れを断ち切ってディフェンスからブレイクを出すというJXのバスケットを取り戻すのが私の役割でした。それは毎試合意識していましたし、悪い流れの時に出ていって私のプレー1つで他の選手の気持ちが変わってくれればいいなと思ってやっていました。
選手の心の支えになりたいと思っていたので、そういう意味ではやりがいのあるシーズンで楽しかったです」