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“右の柳田悠岐”になるはずだった男。
真砂勇介は、今年こそ化けるか?
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKotaro Tajiri
posted2019/02/28 10:30
ロングティーの練習をする真砂勇介。走力、遠投、背筋力などの身体能力でズバ抜けており、未来の大砲としての期待が大きい。
首脳陣からの期待を感じさせる待遇も。
「みんな、凄くシンプルな考え方でした。同じように話していたのが『自分のスイングをした中に、ボールが入ってくる』との感覚でした。ミスショットをしても気にしない。僕はどんな当たりなのか、どのような打球なのかばかり気にして、結果を追い求めるあまりバッティングが小さくなっていたように思います」
それを経て迎えた2月の宮崎春季キャンプ。真砂は2年ぶりに主力のA組で過ごした。
これまでと昨年の実績を考えれば、抜てきと言ってもいい。それだけ首脳陣からは期待されているという証なのだ。
また、16日の紅白戦初戦では柳田の故障という事情はあったものの白組の「4番センター」で出場。その後の2試合も5番打者で起用された。
そして全体練習が終わった後、メイン球場の広いグラウンドにただ1人残ってロングティーを繰り返す姿も見られた。
立花コーチ「理想形は中島宏之」
付きっきりで指導した立花義家一軍打撃コーチからは何度も左肘の使い方をアドバイスされていた。
ボールを呼び込み過ぎて肘が前に出ていかず、せっかくの力を打球に伝えられずにいた。それが速球に弱い原因の1つでもあった。
立花コーチは福岡ダイエー時代を含むホークスのほかにオリックス・ブルーウェーブやライオンズ、マリーンズのコーチを歴任し数々の名打者たちを育て上げてきた。
「真砂は良いパワーを持ってますよ。ただ、試合に出るためには確率も上げていかないといけない。理想形は西武で見ていた中島(宏之=現ジャイアンツ)かな。バッティングの形は出来てきた。あとはこれからの試合の中で結果を残してアピールしていくしかないよね」