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“右の柳田悠岐”になるはずだった男。
真砂勇介は、今年こそ化けるか? 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byKotaro Tajiri

posted2019/02/28 10:30

“右の柳田悠岐”になるはずだった男。真砂勇介は、今年こそ化けるか?<Number Web> photograph by Kotaro Tajiri

ロングティーの練習をする真砂勇介。走力、遠投、背筋力などの身体能力でズバ抜けており、未来の大砲としての期待が大きい。

先にブレイクした上林誠知。

 '17年に一軍デビューを果たしてプロ初安打を本塁打で決めてみせたのだが、現在まで一軍で放った安打はその一本のみ。その年は9試合、そして昨年はわずか1試合の出場しかない。

 その間に、1歳下の同じ外野手がブレイクを果たした。

 上林誠知である。

 2年前の春季キャンプでは真砂と上林がそれぞれ一塁側と三塁側のダグアウト前で、居残りロングティーを毎日のように敢行するのが見所の1つになっていた。

 夕暮れ時の球場で「サク越え50本」などのノルマを課され、2人とも雄叫びを上げながら負けん気全開で、一心不乱にバットを振り込んだ。その実力はほぼ互角だった。なのに、あれから2年経った今、この現実がある。

一流バッターから何を学んだか?

 実は真砂は、プロ初本塁打をマークした頃に右肩を痛めており、その影響が長引き成長を妨げた面も否めない。ただ、ファームの打撃コーチは「変化球はともかく、速いボールに対応が出来ていない」と弱点を指摘していた。

 パ・リーグは特に速球派のパワー系投手が多い。せっかくの潜在能力を発揮できずにいたのだった。

 ここ3年間、自主トレでは“本家”柳田に弟子入りしてきた。そこには柳田のほかに、糸井嘉男(タイガース)、吉田正尚(バファローズ)といった球界屈指の豪華打者が集う。真砂は出発前に「一流のバッターが打席でどのような意識でいるのかを聞いてみたい」と意気込んでいた。

 果たして、どのような答えを得たのか。

【次ページ】 首脳陣からの期待を感じさせる待遇も。

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