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鹿島の伊藤翔は何かやってくれそう。
「ゴールがビタミン剤、養分になる」
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph byTakamoto Tokuhara
posted2019/02/21 11:45
10代の頃に“和製アンリ”と呼ばれた伊藤翔も30歳。ACL連覇を狙う鹿島の本戦出場権獲得にさっそく貢献した。
内田「やってくれなきゃ困る」
そんな伊藤のプレーぶりはどう映ったか? 生まれ年が同じ1988年である内田篤人に話を聞いた。
チームキャプテンにも就任した内田は頷いて、彼のファーストゴールを喜んだ。
「今日は早め(72分)に交代しましたけれど、(高いパフォーマンスを)90分やれるポテンシャルを持っている。だからクラブも獲得したのだと思う。僕はアイツが中京大中京高校の時から一緒にやっています。10代でグルノーブルに行っているし、ポテンシャルは十分ある。
鹿島の“空気”に上手く溶け込めれば、結果を残せる選手。上背のある日本人ストライカーを探したとき、そんなにたくさんいない。(鈴木)優磨もこのあと復帰してくるから、面白い存在というよりも、やってくれなきゃ困る」
このように大きな期待を寄せていた。
セルジーニョも「嬉しいよ」。
また、2年目を迎えるブラジル人FWセルジーニョも、伊藤との2トップに手応えを得ている。
「連係を高めるために練習から話し合いを繰り返してきた。あらゆるタイミングについて、それにこういうボールが好きだ、こういう動き出しをするとか、ほしいクロスやパスの種類、細かいところまで、この1カ月、ずっと話し合ってきた。
だから翔が決めた時は本当に嬉しかったよ。さらに自分も決めることができたからね。上手くいった場面も、上手くいかなかった場面もあったけど、お互いに活躍できたことは何より良かった」
そして伊藤自身もセルジーニョの2ゴールに刺激を受けたという。
「FWは1点決めるか決めないかで、全然違います。ゴールを決めることがビタミン剤と言いますか、養分になっていく。セルジーニョにとってストレスがたまる試合だったと思うけど、乗ってほしかったからPKを譲りました。それを決めたら乗りに乗って2点目も決めちゃって(笑)。俺も、もっと頑張らないといけないなと思いました」