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鹿島の伊藤翔は何かやってくれそう。
「ゴールがビタミン剤、養分になる」

posted2019/02/21 11:45

 
鹿島の伊藤翔は何かやってくれそう。「ゴールがビタミン剤、養分になる」<Number Web> photograph by Takamoto Tokuhara

10代の頃に“和製アンリ”と呼ばれた伊藤翔も30歳。ACL連覇を狙う鹿島の本戦出場権獲得にさっそく貢献した。

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塚越始

塚越始Hajime Tsukakoshi

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Takamoto Tokuhara

 鹿島アントラーズでの公式戦デビュー、伊藤翔が試合開始直後のファーストタッチで、フリックパスを成功させた。アジア王者の「称号」となる黄金のワッペンが胸に映える鹿島のユニフォームの「15番」は、コンビネーションにすんなり溶け込んだ。

 決して大胆なプレーではなかったものの、何かをやってくれそうだ――カシマサッカースタジアムのスタンドに、そんな空気が漂ったように感じた。

 その予感はすぐさま現実のものとなる。

 ACLプレーオフのニューカッスル・ジェッツ(オーストラリア)戦の18分、CKのセカンドボールを拾ったレオ・シルバが強烈なグラウンダーのミドルを放つ。これをセルジーニョがヒールでそらしてコースを変えると、ボールはポストを叩いてこぼれた。

 そこに弾丸のごとく豪快かつ強烈なスピードで飛び込んだのが伊藤だった。鹿島の2019シーズン最初のゴール。気持ちのこもった一撃だった。

ゴールは何よりも活力になる。

「ひとつ前で同じようなシーンがあり、もしかしたら、こぼれてくるかなと感じていました。もちろんFWであれば、毎回あそこは詰めないといけないところ。(気迫がこもっていたように感じたが?)そう言っていただけるのは嬉しいです。でも、もうちょっと格好良く決めたかったですけれどね」

 伊藤は笑った。

 その後もGKとの1対1となる決定機を作り出し、前線からのチェックも最後まで怠らず、チームの4-1大勝劇に貢献した。

「(移籍後初ゴールに)良かったです。良かったけれど、2点、3点とどんどん取っていきたかった。コンディションが上がっていけばもっと良いプレーができるとは思います。だから満足はしていないけれど、ホッとはしました」

 やはり、ストライカーにとってゴールこそが活力になる。

【次ページ】 戦いながら鹿島カラーに染まる。

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