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鹿島の伊藤翔は何かやってくれそう。
「ゴールがビタミン剤、養分になる」
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph byTakamoto Tokuhara
posted2019/02/21 11:45
10代の頃に“和製アンリ”と呼ばれた伊藤翔も30歳。ACL連覇を狙う鹿島の本戦出場権獲得にさっそく貢献した。
怖い後輩たちがどのように……。
鹿島の始動日となった1月15日、伊藤は「クラブハウスの目の前にグラウンドがあり、すべてサッカーにだけ集中できる。打ち込める環境です」と語っていた。同時に「移籍してきたとはいえ30歳。怖い後輩たちがどのようにキバを剥いてくるのか。それも楽しみにしています」とも言っていた。
内田が言うように若い頃から期待されてきたが、長期にわたるケガに苦しみ、それでも這い上がり、30歳にしてキャリアハイを記録した。そして今、選手として求めるあらゆる条件が揃う、アジア王者の鹿島に新天地を求めた。
徹底した勝利の希求、そのための練習環境、チーム内競争と一体感。鈴木優磨、セルジーニョ、土居聖真、山口一真……鹿島のFW陣はストロングポイントがそれぞれ異なる。どのような組み合わせが、どのような相乗効果を生み出すのか。だからこそ、大岩剛監督も伊藤のゴールに安堵したに違いない。
デビュー戦ゴールを吉兆に。
伊藤にとっても縁起の良いゴールとなった。
「気持ち的には良かったです。これで乗っていけるのではないかと。もともと初モノと言いますか、勝負強さは出せてきたので、鹿島でもそれを出せて良かったです」
清水エスパルス時代の2012年、ホーム初出場の9節・鹿島アントラーズ戦(〇3-0)で1得点1アシストを記録。さらに、横浜F・マリノスに移籍した2014年のデビュー大宮アルディージャ戦(〇2-0)でもゴールを決めている。
デビュー戦ゴール――。年を重ねるごとに成績が良くなっていった横浜時代に続く吉兆と言える。伊藤は鹿島で幸先よい一歩を踏み出した。