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オリックスに次世代の“足”が誕生。
投手から転向した佐野皓大の可能性。

posted2019/02/22 10:30

 
オリックスに次世代の“足”が誕生。投手から転向した佐野皓大の可能性。<Number Web> photograph by ORIX Buffaloes

首脳陣からの期待も大きい佐野。現在の課題は盗塁のスタート。コンマ数秒を縮めるための努力を惜しまない。

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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「Be Aggressive #超攻撃型」をキャッチフレーズに掲げる今年のオリックス。宮崎キャンプの紅白戦でも、積極的な走塁が目立っている。

 ただ、果敢に盗塁を試みるものの、捕手に刺されるケースも多い。そんな中、2月14日の紅白戦で鮮やかに盗塁を決めるなど、5年目22歳の外野手、佐野皓大の足が光っている。

 西村徳文監督は「一発で決められる思い切りのよさというのを持っている。楽しみですね」と評価した。

 佐野は大分高校から2014年のドラフト3位で、投手として入団した。1年目からファームで順調に登板を重ねたが、2年目の後半あたりから感覚に狂いが生じ始めた。3年目の前半戦のウエスタン・リーグ広島戦でバックネットを直撃する大暴投があってからは、考えすぎて思うように投げられなくなった。

 その年の8月、佐野は「スピードが出ないし、メンタルをやられてます。難しいっすね、野球は……」とつぶやいていた。

「野球終わったら、漁師か動物の飼育員になるんで、取材に来てください」

 突然そんなことを言われて、答えに窮した覚えがある。

「イップスみたいになっていて、もう投げるのが嫌になっていました。怖いというか、気持ち悪くなっていた。だから正直もう辞めたいと思った。もう終わりやろうなと、覚悟もしていました」と振り返る。

野手転向、そしてスイッチヒッター。

 しかしその年の9月、球団から野手転向の打診をされた。もともと足の速さと身体能力の高さには定評があった。また時々、好きで打撃練習をしていた佐野の姿をスタッフが見ており、そのセンスに目を付けていたのだ。

 佐野自身は野手転向はまったく頭になかったというが、「野手としてチャンスをいただけるならありがたいです」と答え、育成選手として再スタートした。

 その後の秋季キャンプでは、マメだらけになった手のひらにテーピングをして、バットを振り続けた。

 野手1年目だった昨年は、内野手からシーズン途中に外野手へ。そして50m5秒9の俊足をより活かすため、右打ちから、スイッチヒッターにも転向した。プロの世界でこれだけ次々に新しいことに挑戦するのは相当な苦労が伴うが、佐野は「楽しいし、野球やってるって感じがする」と活き活きとしていた。

【次ページ】 “足のスペシャリスト”を好む監督。

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