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アジア杯決勝後、原口元気に直撃。
「アタッカーは逃げちゃいけない」
 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/02/13 11:30

アジア杯決勝後、原口元気に直撃。「アタッカーは逃げちゃいけない」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

イラン戦でゴールを決めた原口元気。しかし本人はアジア杯でのプレーに満足感を抱いてはいなかった。

少し、逃げていたかな。

 それについて、原口はこう続ける。

「飛行機の中でもずっと考えていたんだけど、確かに、自分は昔に比べて色々なことができるようになったと思う。どの監督に対しても、信頼してもらえる自信はあるけど……」

――けど?

「当初から目標にしていた『日本で一番の選手になる』という感覚が薄れてきちゃっているのではないかな、と感じて」

――確かに浦和レッズでのラストゲームの後に「日本で一番の選手に」と約束していましたね。

「今大会優勝できなかったこともあって、余計に、思い出したよね。ここで優勝していたら、そこまでの選手で終わっていたかもしれないけど、もう1回ギアを入れ直さないといけない、もう1回アタッカーとしてチャレンジしていかないといけないなと、この移動中に考えた」

――チーム全体を考えてバランスよく補える選手も、勝利に導くためにリスクを負える選手どちらも必要ですが、最近は前者のほうの意識が強かったと?

「そう。もしかしたら、自分はそっちタイプなのかなと思っていた時期もあった。でも、日本代表として本当に勝ちたいと考えた時、いまは2列目に絶対的なエースがいないというか。長らく(本田)圭佑くんと(香川)真司くんがチームを引っ張ってきたけど、今はそこで勝負を決められるような2列目の選手は……やはり、この半年間はそういうところから少し、逃げていたかなというのもあるし」

――所属するハノーファーでも残留争いに巻き込まれて、無難なプレーを求められる部分があるのでしょうが。

「だからこそ、かな。逆に、もう1回チャレンジするには良い状況だと思う。すごくリスクを冒せるとは思うし、上手くいっていないチームだからこそ、チャレンジし甲斐があるとも思う」

――海外のアタッカーを見ていると、ボールを奪われても懲りずに続けるメンタリティーがあるように感じます。

「そのためには、2通りあると思っている。少年のように楽しみながらリスクを冒すプレーを続ける選手と、ボールを奪われたりミスしても、懲りずにやり続けられるような選手。どう考えても、自分は少年のようなプレーはできないから」

――となると?

「メンタル的に、もう1回そういうチャレンジをするという本当に強い思いがないと、アタッカーとして勝負できないと思う。だから俺は何回ミスしても仕掛けていかないと。イラン戦で決めたゴールみたいに、相手に奪われるようなリスクのあるドリブルをしないといけない」

【次ページ】 守りに入りすぎてはダメ。

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