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東浜巨が後輩・千賀の自主トレで
発揮したハンパじゃない引き出し。

posted2019/01/30 10:30

 
東浜巨が後輩・千賀の自主トレで発揮したハンパじゃない引き出し。<Number Web> photograph by Koutaro Tajiri

東浜巨はチームメイトの千賀も参加した自主トレで、じっくりとフォームをチェックし直していた。

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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Koutaro Tajiri

 ホークスファンならば2人の名前を聞いただけで胸躍り、野球ファンは絶対注目したくなるコラボ自主トレが1月に実現していた。

 エース級の両名、東浜巨と千賀滉大が合同でトレーニングを行ったのだ。

 正直驚いた。チームメイト同士が高め合うと言えば聞こえはいい。だが、プロ野球は強烈な個の集団だ。現実はそんな美しいばかりの関係性ではない。不仲と言っているわけではなく、実際に彼らは良好な関係を築いている。しかし、両者は誰が見ても明らかなライバル関係だ。

 そして今回の自主トレは、2つ年上の東浜の方から「千賀の庭」に飛び込んでいった。逆なら分かるが、これは異例である。千賀がまだ背番号128だったプロ1年目オフから師と仰ぐ「鴻江スポーツアカデミー」代表の鴻江寿治トレーナーが主宰するトレーニング合宿に初めて参加したのだった。

千賀と東浜の矜持が見え隠れ。

 違和感をそのまま東浜に問うてみた。が、当の本人は「そんな大袈裟なことじゃないですよ」と軽く笑い飛ばすだけだった。

「僕は千賀と一緒にやるという認識ではなくて、鴻江先生に教わりたくて参加した。大学時代に先生が考案した『コウノエベルト』を使用していたし、千賀がずっと通っていて良くなっていくのも当然見ていましたから」

 千賀のもとに飛び込んだわけじゃない――そこに、東浜の矜持が見え隠れする。一方で千賀も、東浜がやって来ると聞いた当初は穏やかではなかったようだ。ただ、プロはそれでいい。結果的に、それが高め合うことに繋がるのだ。

 東浜の「鴻江合宿」への参加は3日間だけだったが、そのわずかな期間で東浜の投球フォームは明らかに変化した。

【次ページ】 石川柊太らも教えを請うた。

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