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若返るオリックスの象徴、若月健矢。
23歳の選手会長は怖い打者を目指す。 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byKyodo News

posted2019/01/25 11:00

若返るオリックスの象徴、若月健矢。23歳の選手会長は怖い打者を目指す。<Number Web> photograph by Kyodo News

高卒6年目、23歳で選手会長に就任した若月。昨季はキャリアハイとなる114試合に出場した。

2人の左腕を生かすための研究。

 ところが、昨年の開幕時はピンチに陥っていた。

 開幕戦では伊藤光がマスクを被り、その後も伊藤が先発することが多く、若月が任されたのは新戦力のアンドリュー・アルバースと田嶋大樹の登板日だけだった。

「オープン戦は3試合ぐらいしか出ていなくて、ファームの試合に行ったりもしていたので、『ヤバイな……』とすごく危機感がありましたし、反骨心もありました。だからとにかくアルバースと田嶋の時に必死に頑張ろう、その2人は譲れねーな、という感じでした」

 アルバースも田嶋も左投手。そこで、西武の菊池雄星や楽天の辛島航といった左投手の映像を片っ端から見た。

「右打者に対しての、外のまっすぐの使いどころとかが参考になりましたね。もともと左ピッチャーは好きなんですよ。楽しいので。右打者からインコースのまっすぐで三振を取った時なんてもう最高に気持ちいいですし、左打者に対してインコースのまっすぐを使うタイミングを考えたりするのが、ほんとに面白いですね」

 配球のことを話す若月は、ニヤニヤして心底楽しそうだ。

課題だった打率が4分も上昇。

 昨シーズン序盤、チームは連敗が続いて苦しむ中、アルバースと田嶋だけが勝ち星を重ねていき、若月の出場機会も増えていった。

 しかしそんな矢先の4月21日、走塁の際に左太ももを肉離れしてしまった。ケガの状態がグレード1でも普通は試合に出られないが、若月はさらにひどいグレード2だったという。それでも、がちがちにテーピングを巻いて固め、試合に出続けた。

「めっちゃくちゃ痛かったですよ(苦笑)。でも打率が今までより高かったんで、みんなに『足痛いほうがいいんちゃう?』って言われましたけど(苦笑)」

 昨年は自身最多の114試合に出場し、課題だった打率も2割4分5厘と前年を4分以上、上回った。

【次ページ】 「今は打ち勝つ野球じゃないですか」

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