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若返るオリックスの象徴、若月健矢。
23歳の選手会長は怖い打者を目指す。

posted2019/01/25 11:00

 
若返るオリックスの象徴、若月健矢。23歳の選手会長は怖い打者を目指す。<Number Web> photograph by Kyodo News

高卒6年目、23歳で選手会長に就任した若月。昨季はキャリアハイとなる114試合に出場した。

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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Kyodo News

 昨年、ベテラン選手が引退や移籍で抜けたことで、今年のオリックスは大きく若返った。新選手会長に就任した23歳の若月健矢はその象徴でもある。

 前選手会長のT-岡田から「やってくれへんか?」と打診されたのは昨年8月だった。

「自分じゃ早すぎますよ」と最初は固辞したが、3カ月間考えて、11月に引き受けることを決めた。

「悩みました。他にいっぱいいるのに、僕でいいのか? と思って。でも、僕は今までそういう役割をやったことがなくて、中学高校でもキャプテンじゃなく、キャプテンを困らせるキャラだったので(笑)、上に立つのも面白いのかな、と。声をかけてもらえたんだったら、やってみようかなと思いました。

 選手会長は、球団の人と話したり会議に出たり、グラウンド外の仕事が多いので、僕がそういう仕事を引き受けて、皆さんにプレーに集中してもらえればと思います」

 人間的にも、プレー面でも、チームメイトからの信頼がなければそういう声はかからない。6年目の捕手・若月は少しずつそれを積み重ねてきたということだ。

「オレ、一軍選手だ」と勘違い。

 若月は高卒2年目の2015年9月に初めて一軍でスタメンマスクを被り、3年目のシーズン後半から出場機会を増やした。

「あの年は早い段階で順位がある程度決まってしまっていて、出させてもらっている立場だったんですけど、ちょっと勘違いしちゃいましたね。『オレ、一軍選手だ』みたいな感じで」と振り返る。

 翌年の4年目は初めて開幕マスクを被り試合に出続けたが、そこで初めて、自身のリードがチームの成績を左右する怖さを知った。その年はチームの順位も個人の成績も納得のいくものではなく、「今年こそは」と昨シーズンに臨んだ。

【次ページ】 2人の左腕を生かすための研究。

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