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宮藤官九郎の『いだてん』執筆記。
「辛さのレベルは全然違いますが」 

text by

宮藤官九郎

宮藤官九郎Kankuro Kudo

PROFILE

photograph byKankuro Kudo/Illustration

posted2019/01/20 09:00

宮藤官九郎の『いだてん』執筆記。「辛さのレベルは全然違いますが」<Number Web> photograph by Kankuro Kudo/Illustration

本誌コラム用に宮藤官九郎氏が描いた嘉納治五郎。

金栗四三の歴史に触れて。

 さらに遡ること20年前“いだてん”こと金栗四三さんが、日本人で初めてストックホルム五輪に出場したのは21歳の時。4年後は25歳。誰が見ても心身共にピークを迎えていた。ところがベルリンで開かれる予定だったオリンピックが直前で、第一次世界大戦の影響を受けて中止になります。

 そのやり場のない悲しみ。喪失感。想像を絶します。4年間の血の滲むような努力が水の泡。あと4年待ってもオリンピックが開催される保証はない。仮にあっても29歳。ピークはとうに過ぎています。いだてん金栗さんはどうしたか。その答えはドラマ本編を見て確かめて下さい。

 俺が『いだてん』を書いている今が、予選を1年後に控えた選手にとってはいちばん大事な時期。

 辛さのレベルは全然違いますが、共に頑張りましょう。

(Number970号 EXTRA ESSAY RELAY 宮藤官九郎 スポーツで発散しなさい!『いだてんが始まった』より)

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