“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
C大阪有望株が小嶺先生の愛弟子に。
鈴木冬一、1度きりの選手権挑戦記。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/01/07 16:30
帝京長岡戦でゴールを決めて喜ぶ鈴木冬一(18番)。湘南ベルマーレでの活躍も期待される。
プロというステップでも。
「小嶺先生は僕が一番感謝しないといけない存在だと思います。小嶺先生の下でメンタル、フィジカル、人間力の面で、まだまだではあるのですが、成長できたと思っています。本当にここに来て良かったと思いますし、決断した時の自分に“お前は良い決断をしたぞ”と言いたいです。この経験を無駄にしないためにも、次のプロというステップで力を発揮していく必要がある」
清々しさを感じさせる表情と、まっすぐに前を見つめるその目には、自信と未来への期待感があふれていた。
「プロになってもこの先、移籍はあるもの。そういう部分でもこの年齢で経験できたことは大きいですし、新しいチームに対してどうとけ込むべきなのかは学ばせてもらいました。それに……賛否両論ある決断を下すことはこれからもあるし、そこでまた壁にぶち当たる思うのですが、この経験を生かして、何事にも屈しないで、決断し続けたいと思います」
一度大きな決断を下した者は強い。鈴木は高3という若さで人生を変える決断を下し、それを信念してまっすぐに歩いていくはずだ。
だからこそ、この先どんなことがあっても、この1年間に“立ち返る”ことができるだろう。それこそ彼がこの決断を下した意義でもあるのだから。