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栗山英樹監督は観察し、信頼する。
日本ハム8年目も未来を見据えて。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKyodo News

posted2019/01/02 11:30

栗山英樹監督は観察し、信頼する。日本ハム8年目も未来を見据えて。<Number Web> photograph by Kyodo News

栗山英樹監督率いる日本ハムからは数多くの才能が生まれ、そして旅立っていった。次に花開くのは誰か。

選手の5年後、10年後のために。

 シーズン終了後の契約更改では、栗山監督が率いるチームらしいエピソードが届いた。田中賢介が来シーズン限りでの現役引退を表明したのだ。

 契約更改後の会見で、37歳のベテランは「周りがやりやすくなるんじゃないかと感じた。早く引退宣言をしたほうが、気を遣わせなくてすむ」と語ったという。

 読書家として知られる栗山監督は、『論語』や『易経』などを組織論に生かし、古典の名言を選手たちにも折に触れて紹介している。田中の発言は儒教が教える五常の「仁」と「義」につながるものだ。チームへの思いやりを胸に抱き、私欲にとらわれないベテランの姿勢が、その言葉から浮かび上がってくる。

 栗山監督は'19年も引き続き指揮を執る。在任8年目は、日本ハムでは歴代2位の長期政権だ。「ひとりひとりの選手の5年後、10年後を見据えた」指揮官の指導のもとで、チームは'16年以来の日本一を目ざしていく。

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