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“ユース教授”が誰より詳しく指南。
高校サッカー選手権の注目校&選手。 

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2018/12/29 07:00

“ユース教授”が誰より詳しく指南。高校サッカー選手権の注目校&選手。<Number Web> photograph by Takahito Ando

流通経済大柏のDF関川郁万。2019シーズンから鹿島アントラーズへの加入が決まっている。

前回優勝・前橋育英は前線が充実。

 続いては前回覇者・前橋育英。エースストライカーは、前回決勝で初優勝に導く決勝ゴールを叩き出した榎本樹だ。松本山雅に加入内定している186cmの長身FWは、高さを活かしたヘッドと正確なポストプレーで前線に君臨する。

 その榎本を起点にFW室井彗佑、石井陽向、高橋尚紀、MF森隼平、近藤友喜といったアタッカーがゴール前になだれ込むのが攻撃の形となる。どの選手もスピードとドリブルに自信を持ち、ゴールにも絡めるタイプ。相手としては榎本ばかりをケアするわけにいかず、完全に抑え込むのは至難の業だ。

 彼らに用意されるポジションは榎本と組む2トップの一角、左右サイドハーフの3つ。2人がベンチに回ることになるが、試合の流れを変えるジョーカーと化すのだから、層が厚い。

 彼らを操るボランチが、アルビレックス新潟加入が内定している秋山裕紀だ。長短のパスで操る秋山の出来こそがチームの浮沈の鍵を握っている。

鹿島内定・流経柏の関川。

 流通経済大柏は前回大会で準優勝と涙をのんだ。その悔しさを知るのがDF関川郁万である。高校ナンバーワンCBの呼び声高く、鹿島アントラーズが昌子源、植田直通の後釜として獲得。鋼のようなフィジカルと、天性のバネを活かしたエアバトルは高校レベルで群を抜く。

 それもヘディングはただ弾くだけでなく、「どの選手がフリーか見ている」と攻撃の起点にさえなれるほどの精度。攻撃面でもセットプレーはもちろん、FWで起用されればポストプレーなどでも存在感を見せる。

 また1対1の守備、左右両足からのフィードも一級品。FWでも活用され、大会前の練習試合では本職のFW顔負けのミドルシュートや、クロスからのシュートを放ち、ゴールも決めていた。

 関川の他にも、前回大会を経験したメンバーは多い。サッカーセンス抜群のMF熊澤和希、守備センスのあるDF西尾颯大が主力。また期待の1年生がスタメンに名を連ねており、GK松原颯汰、ボランチからCBまでこなせるMF藤井海和、突破力が光るFW森山一斗と三好麟大らがアクセントを加える。

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