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W杯ベルギー戦、2点リード後の痛恨。
手倉森誠「いつもあった謙虚さが」 

text by

戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKazuo Fukuchi/JMPA

posted2018/12/30 07:00

W杯ベルギー戦、2点リード後の痛恨。手倉森誠「いつもあった謙虚さが」<Number Web> photograph by Kazuo Fukuchi/JMPA

ロストフに広がった勝者と敗者のコントラスト。日本サッカー史に残る激闘だった。

ドーハの悲劇に匹敵する教訓。

――手倉森コーチは日本サッカーの世界戦略として、「柔軟性と割り切り」をキーワードにあげてきました。この試合を受けて何か加えるべきものが見つかりましたか?

「戦術的には柔軟性と割り切りで、メンタリティは謙虚さとしたたかさ。絶対に浮ついてサッカーをすることのないチームだったから、短期間の準備でベスト16まで辿り着くことができた。でも、最後の最後で謙虚さが足りなかったのかもしれない」

――ロスタイムの失点でアメリカW杯出場を逃した『ドーハの悲劇』に匹敵する教訓、と言っていいでしょうか?

「そう思わなきゃいけない。格上の相手に2点取ったら、まず守備意識を高めなくてはいけないと教えられるために、我々は2点を取らせてもらい、3点取られて負けることになった、と思っている。短期間の準備でベスト16入りしたから成功、ではない。4年間しっかりやっていれば、ベスト8に行けていたかもしれない。あのCKの対応も、本当なら詰め切ることができたかもしれない」

――次の4年間は検証、継承、発展といった段階を確実に踏んで行ってほしいですね。

「日本サッカーの確立まではいかなかったけれど、確立するための何かはロシアW杯で見えたと思う。あのベルギー戦の3失点目から、すでに'22年への強化は始まっているんだ」

(Number957号『手倉森誠 「我々は謙虚さを失っていた」』より)

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